元うどん

真面目です。

すべすべ新郎新婦

「皆様、お待たせいたしました。それでは…新郎新婦の入場です!」

すべすべに磨き抜かれた新郎と新婦が手を取り合って式場の扉をあけ入場してきた。

 

「結婚式は一世一代の晴れ舞台なのよ!」と豪語していた新婦は、いかにバブル世代であろうとも度肝を抜いて、抜いた度肝が空に飛んで星になる位のドヤドヤデーハーな式にしたい!と言っていた。引き出物は二人の顔写真入り大皿しかない。ゴンドラ、お色直し5回、テントウムシのサンバ、裸踊りの出し物が企画された。新婦本人も過酷なダイエットによりライザップのCMみたくテーテッテテーしてスタイルを完成させブライダルエステを行い玉のような肌になったということらしい。新郎もブライダルエステした。そして一対のすべすべ新郎新婦が完成した。

扉を開け意気揚々と光り輝くばかりの二人が手に手を取って笑顔のまま足をつるりと滑らせ、ついた尻で前方に滑った。直線上に鎮座していたウェデングケーキにめでたい初めての夫婦の共同作業により、二人が手つなぎのまま尻で激突した。足は美しく揃っていた。

新婦の淑やかなご母堂が立ち上がりハワアと蟹のように泡を吹いて倒れた。バブリー。

驚いた司会がすべすべ新郎新婦を助け起こそうと近づくも、摩擦係数が低下しすぎた二人と、ケーキの生クリームの油分が相まって超(スーパー)すべすべになり、新郎新婦からそれぞれ手を掴まれた司会の男は、またもや足を滑らせた新郎新婦によってくるりと回転し、ボウガンの矢のように射出されケーキの残骸に頭からつっこんだ。ウェディングケーキは吹っ飛び、司会の男は壁に激突した。

次に助けに近づいた招待客や参列者の全てが一人ずつ厳かに射出され数人のギックリ腰を出しつつも式は滞りなく終了した。

その十月十日後、新婦は玉のようなすべすべ赤子をめでたく出産したと言う。